救出した爆豪と共に来た緑谷達と、合流する。
俺と目が合うと、爆豪は「ケッ」というように、口許を歪ませ顔を背けた。
「良かったですわ。爆豪さん」
心配しました、と言う八百万に、ふてくされた顔のままでチラリとこちらを向く。
「全然問題なかったわ」
礼なんて言わない。
誰もがそれを爆豪らしいと思った。
とにかく行こう、と歩き出した緑谷達について行きながら、爆豪の隣に並んだ。
「大丈夫か?」
小声で訊いた俺に、「あァ?」と目を向ける。
黙って見返すと、一瞬俺を睨んだ瞳が、まっすぐ前へと向けられた。
「話しかけんな。大丈夫だわ。心配すんなら、クソデクの方したれや」
爆豪の瞳は、睨むように緑谷の背中を追っていた。
「……泣いてたか? 緑谷」
顔を見た瞬間、すぐに判った。
緑谷の目は、めちゃくちゃ泣いたのだと判る程、真っ赤に腫れていた。
「死ぬほど泣いてたわ」
「そうだろうな」
「……俺は、泣いてねぇ」
判ってる、と答える。
「だから、心配してんだ」
ワンテンポ遅れて、爆豪が反応した。
「あァ?」
怪訝そうな顔で俺を見て、「イミ解んねぇコト言ってんな」と視線を逸らせる。
オールマイトがああなったのを、自分のせいだと思わない訳がない。
それが原因でめちゃくちゃに泣いている緑谷を見て、平気な訳がない。