光のどけき 君がため 7


 声は、まだ上から降りそそいでいる。

 ――結構しつこい。

「だからー。どー考えてみても楽しくなさそうだったから、『お断り』したの」

 そうだな、そんな感じだ。

 たった今思いついた考えに、自分で納得する。

「お前、想像だけで振ったってコト? 今までのも全部?」

 バタバタと派手な足音が聞こえて、肘を掴まれる。反射的に顔を向けると、すぐ近くで、弘人が俺を見上げて いた。

「そう。休み時間にこいつと話してみて楽しいかなぁとか。一緒に帰って楽しいかなぁとか、今までのもそんな 感じ」

 弘人の瞳を見つめながら、口が勝手にしゃべる。多分それは、真実だから。

 俺の基準はきっと、楽しいか、楽しくないか、それだけだから。

 だから……。

「いや。意味わかんねぇって。てか、もったいねぇーッ!」

 叫ぶ弘人に「そうか?」と首を傾げる。

 本当にわからないのか?

「そりゃそーだろー! 今の先輩もそうだったけど、結構かわいい娘何人かいたじゃん。話してみたら、面白い 娘だって何人かいたかもよ?」 

「大爆笑する程?」

「いや、そんなん望んでねぇー。てか、望むなよ!」

 

 


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