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オリジナルBL小説 『日常』 しづこころなく 3


オリジナルBL小説 日常 『光のどけき しづこころなく 3』(クリックで本文)公開しました。

 

高校2年。夜に突然、弘人に呼び出された先は……。

 

 

 

■光のどけき しづこころなく 3(本文より)

 

 少しの間があってから、微かな溜め息が聞こえてきた。

 

 聞こえない振りをして足を進めようとすると、聞きたくもないその先が聞こえてくる。

 

「中学の頃の子達じゃないから大丈夫とは思うけど……。特にあの――」

 

 咄嗟に足を止め、ガンッ! と派手な音をさせて横にあった壁に拳をあてた。

 

「母さん!」

 

 振り向きざま、これ以上ないくらいに睨みつける。誰の事を言いたいのかは、すぐに判った。判ったから こそ、その先は言わせたくなかった。母親だからって、許せないと思った。

 

「あっ……」

 

 ビクッと体を強張らせ、怯えた表情を見せる。最近ではあまり見なくなったが、中学の頃は何度も見た表情だ。チッと舌打ちして、今度こそ洗面所へと向かう。

 

『バカやんのは、中学までだぞ』

 

 蘇った懐かしい声に、ドライヤーのスイッチを入れながら「解ってるよ」と答える。しばらく無心で髪を 乾かしていると、後ろから遠慮がちな声がかけられた。

 

「あのね、今夕飯の残りの天ぷらを揚げるから。よかったら弘人君に持って行って」

 

 

 俺は苛立ちが残る手付きでドライヤーのスイッチを切って、振り返った。

 

 

 

 

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