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オリジナルBL小説 『日常』 心も知らず 10


オリジナルBL小説 日常 『光のどけき 心も知らず10』(クリックで本文)公開しました。

 

高校生2人のゆるいBLです。 

春休み。美術室から見る夕陽に、弘人はある『眩しい光景』を思い出す。

 

 

 

■光のどけき 心も知らず 10(本文より)

 

「特に織田はね。『面白い面白い』と思って描いたらそれが出てるし、この前の水彩画みたいに初めて描くものには『興味津々さ』が出て る。こうしたらいいのかな、こうすべきなのかなって試行錯誤の痕が、僕には『いい絵』として映ったよ」

 

「そ……かな?」

 

「そうそう。――だから。喧嘩なんかせずに仲良く描きなさい」

 

「へ?」

 

 驚いて大城を見上げる。横から片付けをしていた手を止めて、こちらに顔を向けた祐志の気配が伝わってきた。

 

「し、してねぇよ。喧嘩なんか」

 

 恐るべし、大城!

 

 冷や汗を隠すように顔を背ける。普段なら「なぁ?」と祐志に同意を求めるところだが、とてもじゃないが顔を見れる状態じゃない。

 

「あー。……そういやこいつ、写真の方がいいとかってさっき言ってたな」

 

「なっ!」

 

 振り返ると、少し天井を見上げるようにして呟いた祐志が、悪戯っぽい笑みを俺に向けた。

 

「写真部にでも移籍するつもりなんじゃねぇ?」

 

「えっ。写真部に入るの?」

 

 ――この野郎。

 

 

 お前今すっげぇ意地悪い顔してるぞ! って、指差して言ってやりてぇ! 

 

 

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