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オリジナルBL小説 『日常』 心も知らず 8


オリジナルBL小説 日常 『光のどけき 心も知らず8』(クリックで本文)公開しました。

 

高校生2人のゆるいBLです。 

春休み。美術室から見る夕陽に、弘人はある『眩しい光景』を思い出す。

 

 

■光のどけき 心も知らず 8(本文より)

 

「……ふうん」

 いつの間にか俺の真後ろに立っていた大城が、笑いを含んだ声で呟く。元々機嫌のよくない俺は、喧嘩なら買うぞ、ぐらいの勢いで切り 返した。

「言っとくけど、文句言うなら――」

「いや。いいんじゃない?」

 もう描かないから、と言いかけた口が、そのまま止まる。

「……は?」

 あっさり言った大城は、少し離れたりしながら「小学生が描いた」と言っても誰もが信じるだろう、俺の拙いデッサン――とも呼べないかもしれない。なんせ、嫌々輪郭を描いただけの状態なんだから――を眺めている。

 その顔は、バカにしてんでも、揶揄ってんのでもなかった。だって、目が真剣だったから……。

 半笑いだけど。

「2日かかって、こんだけしか描けてないんだけど……」

 口を尖らして言うと、大城は「うん」と返してきた。

「めっちゃヘタクソなんだけど…」

「まあね。――でも、面白いよ」

「は?」

 ニヤリと笑って俺の顔を見遣ると、大城は言葉を続けた。

「2日分の苦労が、凝縮されてる」

「苦労?」

 スゲェいい加減に描いただけ、なんだけど……。

 

 

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